ハムレットの狂気をどう考えるか?

生田みゆきさんによるリーディング講座、最終回の夜は、有名な「尼寺へ行け」(Get thee to a nunnery!)のシーンを繰り返し読みました。「子音の立て方」など、細かい台詞の発し方についても教えて頂いたのですが、ここでは大きく分けて2つのことを考えた、という記録のみ、残しておこうと思います。

1.ハムレットの「狂気の演技」に関して。「気高いご気性が壊れてしまった!」と捉える若いオフィーリアと、「とても狂気とは思えない」と捉える人生巧者のクローディアスの両方の考え方が成立するように、グレーゾーンとして成立させるには?


2.Arden版の原文で言うと、たった4行の間に 「心から、お前を愛した」(I did love you once)と「お前を愛したことなどない」(I love you not)と、両極端の台詞がある。この「お前」には勿論、オフィーリアだけを指しているとも、母のことが念頭にあるとも、また「罪深い」女全般への言及が入っているとも、いろいろ考えられるが、とりあえずハムレットはオフィーリアから見て、常に本気。とりあえず、全部本気で言う、ということから「狂気」の演技を始めてみようか?


生田さんには、5月には「演出の基本的な考え方」を教えて頂き、夏休み練習では、実際の上演場所で立ち稽古の一部にお付き合い頂きます。


写真は奥庭の桜に囲まれた清泉女子大学キャンパス内・旧島津家本邸(国の重要文化財)です。8ヶ月間、学生達による『ハムレット』上演までの模索を通じて、ここがエルシノア城になっていきます。(担当教員・米谷)

英語演劇 all-female 『ハムレット』

SEISEN UNIVERSITY Department of English Language and Literature all-female Hamlet Official Blog