歌も贅沢なハムレット

こんにちは☾

フリンジメンバーのまおです(*^-^*)

今年も中村みちるさん(東京藝術大学大学院作曲専攻)に、『ハムレット』劇中歌の作曲をお願いしました。

・オフィーリアの歌

・墓掘りの歌

・ラストソング

・舞踏会の曲

それぞれの歌のイメージを中村さんと新4年生とで対話したミーティングの記録を公開します。


★オフィーリア、割と強め?周囲からのハラスメントに対して「ノー!!」って言う感じ。

あんまりひ弱な感じじゃないけれど、

どこかに弱さも垣間見えてほしい

  ↓みちるさんによるまとめ

・弱い部分と強い部分が脈絡なく交互に出てくるとか、ジェットコースターみたい。強気と弱気が多重人格みたい。

・転調の感じは長調と短調の変化

★墓掘り:吉幾三みたいな

・前の陰鬱なシーンから、つかの間ほっとする

・愉快な感じ

★ラストソング

・明るめにしたい。

・レミゼみたいに、曲を使いまわしたい。

・作品の余韻がそのまま残る感じ。すごく明るいより、どこか希望を感じるって程度の明るさ。

・耳につくメロディ、全員で歌うからシンプルで合わせやすい曲。


【正直にハムレットの理想上演とは?】

先生
上演台本を作ってて、一番大事にしたのはフルマラソンを全員で走り切るような感覚。最後全員死ぬけれど、爽やかにドライに終わる。一種の清々しさが大事だと思う。登場人物全員が、噓なく生き切る感じ、けれども他の登場人物ではなくてハムレットが圧倒的な軸であってほしい。

まお
生きてたことが見てる人の記憶に残ってほしい。死んじゃってもういない人で終わりにしたくない。心の中に生き残ってほしい。生きていたことも死んだこともちゃんと覚えてて印象に残ってほしい。

あやか
悲劇なのは悲劇。無理やり明るくすることない。ハムレット的には一種のハッピーエンド、メリバ的な。だからすっきりする所があると、良いな。

ひとみ
見終わった後に爽やかな気持ちで帰ってほしい。ただ死んじゃったでおしまいって言うあっけなさもあるけど、大階段を上るときに達成感を感じられるようなラストにしたい。

りな
自分たちのハムレットを思い出したときに、ラストソングを思い出したら全部を見渡せる曲が良い。最初は復讐心とか悲しさあるけど、最後にやり遂げた感とか、ハムレットが最後にデンマークを託して終わっていくところから、何か明るい未来のようなものが続いていくような感じで終わる曲。

ひなた
未来や次世代につなげる希望で終わりたい。

りむ
フォーティンブラスのシーンは朝っぽいよねって話したから、すっきりした朝の光を感じるようなすがすがしい感じの曲

すずか
希望が見えるような終わり。復讐の心を持って何が生まれたのかというところ、何が残ったんだろうという虚無感と、でもその中に希望も見えるって言うイメージ。


・(みちるさん)フォーティンブラスの最後の台詞って何?
→最初がWho’s thereだから(笑)ハムレットは問いかけの劇。最後に観客に対してフォーティンブラスが観客に呼びかけることで、異なる時間線に生きてる観客に問いかけてほしい。「どうなんですか、あなたたち」って問いかけをして終わりたい。すがすがしさはあるけれども、クリアな答えがないまま終わりたい。

  ↓みちるさんによるまとめ

ラストソングが全体を見渡すような。結構ミュージカルとかは同じメロディを散りばめてるから、舞踏会のシーンだけと言わず、歌物のところは共通のモチーフがある?変奏して使うのはどうか。
→墓掘りだけは階級が違うから、まったく無関係なモチーフがいい

・(みちるさん)衣装のイメージなど時代感?
→本館のイメージに合わせていきたい。クラシカルな感じ?
本館に合うのは現代のフォーマルもある。めいっぱい現代フォーマルにするのも一つの手。
ハムレットと亡霊だけ時代感や時間軸がほかの人物とズレてるのでもいい。

・楽器の編成について
ピアノ基本でつくると思うけど3,4人くらいで編成の曲にすると、思いっきりクラシカルなものもできる。
→複数編成がいい。

・オフィーリアの歌
気がおかしいという分にはCD book版でも十分だけど、あれよりテンポあって歌として聴いて分かるような感じが良い?
→オフィーリアの地場って感じで歌を固めたい。ハムレットのターンからオフィーリアのターンに。


なかなか盛りだくさんな話し合いで、歌の話を通して、ハムレット全体についてじっくり考えることが出来ました(^^♪

オリジナルの曲を作っていただくなんて(しかもこんなに丁寧に!!)本当に贅沢だなと思いつつ、やりたいことで埋め尽くされた、とびきり贅沢でとびきり映えるハムレットが着実につくられていることを感じられて、気持ちも上がっています(*´з`)


アイコン用の写真は4年メンバーが、舞台となる本館・大階段で戯れているところです、ちょうどステンドグラスが太陽で白くなっていてなんだか神々しいですね(´艸`*)

英語演劇 all-female 『ハムレット』

SEISEN UNIVERSITY Department of English Language and Literature all-female Hamlet Official Blog